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                                 静岡県自閉症協会
                                  会長 津田明雄
 最近は、「自閉症スペクトラム」や「発達障害」という言葉が多くの方に知られるようになってきました。しかし、どのような障害なのか、どのような配慮や支援を必要としているのかについては、正しい理解が広がっていません。医療、教育、福祉、就労などさまざまな面に理解を広げ、専門的な人材やの育成や各種の制度改善が必要と考えます。

 当協会はこのような認識の中、自閉症スペクトラムの特性を持つ人が、多くの方に理解され、地域で幸せに暮らしていくことができるような社会にしたいと考えて、発足から50年が経過する中で、発達障害者支援法の成立と施行、発達障害者支援センターの整備、特別支援教育の推進、障害者福祉事業の充実などに取り組んできました。

 自閉症は早期発見、早期支援が大切と言われていますが、県内における早期発見や早期支援のための仕組みや体制は地域により大きなバラつきがあり、大きな課題となっています。家庭においてもどのように子育てをしたらよいのか、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専門学校、そして就労や施設利用などさまざまな場面において、本人は一生懸命に取り組んでいるのに、周りの人と感じ方、受け止め方、理解の仕方などに違いがあるために、つらい思いをしている方が少なくありません。

 しかし、よく考えてみれば、人はそれぞれ違いがあり、それぞれが持っている得意な力を発揮することで社会が成り立ち、発展してきました。自閉症もそのような人が持って生まれた特性の違いであると考えることができます。足が速い人、遅い人、数字に強い人、弱い人、社交的な人、人づきあいが得意ではない人、手先が器用な人、考えることが好きな人など、本当にいろいろな人がいることが分かります。

 人の性質の違いについては、どちらが良いということではなく、それぞれの人が持っている長所を生かすこと、弱いところがあれば、そこを助け合うこと、支え合うことなどが大切で、補助具(例えば、目が悪ければメガネ)などを使うことことも有効です。本人を理解することが大切ですが、自閉症は外見ではわからず、言葉の発達についても遅れが感じられない人がいるため、自閉症という特性を持っていることに気づかれず、本人の努力不足と思われて言葉で何度も指示がされてつらい思いをさせられたり、親の教育が悪いと思われてしまうこともあります。

 最近では、自閉症という特性を持つ人と、そうではない人の間には明確な線はなく、連続しているということが知られるようになり、自閉症スペクトラム(注1)という言葉が多く使われるようになり、この特性を持った人は少なくないことも知られるようになりました。

 静岡県自閉症協会は、同じ悩みを持つ親が集まり、専門家の協力もいただきながら、情報交換を行い、力を合わせて自閉症の理解を社会に広め、自閉症の人が社会の中で、その持てる力を発揮して、いきいきと生きていけるようにしたいと考え、さまざまな取り組みをしています。

 みなさまのご理解とご支援をいただきますようお願い申し上げます。